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三島『豊饒の海』の『天人五衰』の気になる人物

 またまた三島の長編小説、遺作に関しての話です。

 最終巻『天人五衰』の中に絹江という人物が出てきます。

 主人公ではないのですが、重要キャストです。

 それまでの三島の女登場人物では、かなり魅力的な美人が登場してきました。

 絹江は、全く違いました。

 三島に言わせるとだれが見ても不美人という容貌。

 前からはもちろん、後ろからも右からも左から見ても不美人ということですが、果たしてそういう人がいるかは疑問に最初は思い、気にかかる人物です。

 大失恋から心を壊し、そこから自分を絶世の美女と信じ、周りを警戒するようになったことを三島は微に入り、細に渡り描写しています。

 いわば自意識の逆転です。

 これは容貌を偏重するルッキズムの問題で、古くて新しい問題。

 ペンクラブ会長の桐野夏生氏の東電OL殺人事件をモチーフにした名作『グロテスク』でも触れられています。

 決して極端な話ではなく、女性ならば誰でも、男でも、自分が不美人、ブ男と思う一方で、「なかなかいけてる」と自賛する想いも持っていることを拡張しているとも取れます。

 女性が化粧して、鏡に映った顔を見て納得しているのはまさにこうした感情でしょう。

 この意識の逆転は、容貌だけではなく、日本の戦前戦後の仕組み、意識逆転も表しているのではないでしょうか。

 1,2部の話は戦前、3,4部は戦後ですが、同じ長編なのにまるで違う小説に感じるのも、三島が仕掛けた重大な読者への問い掛けだと感じます。

(アーカイブス)
2018/11/18(日)
研修会での戒め
 ただ聞いているだけなら、ネットで聞くのと変わりないということで、必ず質問するように心がけていました。

 今は研修には行かなくなりましたが、質問は、なんでもよいからするように敢えて自分に銘じていました。

 本当は、あまり質問するのは、得意ではなく、好きでもありませんでした。

 しかし、質問することで、ただ聞いているのでは得られないくらいの、貴重な経験ができました。

 聞くだけの研修だったなら、すべてとは言わないまでも、大方忘れていたでしょう。

 質問したことで、その研修が、ある程度、身についたように感じました。

       だいじ経営年金事務所http://daizizimusyo.jp

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