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三島『豊饒の海』

 第一部『春の雪』については、書きました。

 これは華麗な三島ワールドが展開され、映画、演劇にもなっています。

 第二部『奔馬』になると、かなり過激になり、なかなか映画、演劇には難しそうです。

 しかし、この二巻については、十分、三島らしさがあふれています。

 第三部『暁の寺』、第四部『天人五衰』となると様相が違ってきます。

 一言で言って、かなりエグイ。

 第二部以上に映画、演劇化が難しい。

 それまでの戦前と違い、戦後の話になります。

 長編小説の核は、一応、輪廻転生の物語となっています。

 輪廻転生というと、オカルトチックに聞こえますが、これを遺伝と置き換えると人類、生物が繰り返している当たり前の話となります。

 だから、第三部以降は輪廻転生から、三島は人の意識、実体、生死、時間と観念を広げているかのように私には読めます。

 さらに、博覧強記の三島が執着してきたといってよいノーベル文学賞と世界の文豪をフィーチャーしたかのような世界観を提示します。

 例えば、第三部はトーマス・マンの『ベニスに死す』、第四部はドストエフスキー『悪霊』を想起させます。

 また、第三部、四部を通じた時間空間の認識は、バージニア・ウルフのようにも感じられます。

 小説は、三島に言わせるとそれまでの、時間を順に追う長編に飽き足らなくなっていたということで、そうした流れに挑戦したかのような展開を見せます。

 第四部、最終巻で、大どんでん返しが来ます。

 思わず叫び、暴れだしたくなるようなラストを迎えます。

 第一部は、青少年にお勧めしました。

 第二部以降は、大人の小説、できれば時間をおいて、ある程度の年になってから読んだ方が良いのでは、とさえ言いたいくらいの読後感になりました。

(アーカイブス)
2018/10/28(日)
擦り寄りが気持ち悪い
 日中関係が良好になっているという。

 日本からの働きかけというよりも中国からの擦り寄りが目立つように見えます。

 ついこの間まで、反日で凝り固まっていたような気がします。

 それが経済成長の好調に乗って、民間の訪日観光客の増加と、最近の対米貿易摩擦の影響で、政治レベルでも対日協調路線に変更したようです。

 とにかく変わり身が素早い。

 薄気味悪い。

 独裁、軍事大国、人権制限国に変わりなく、警戒が必要な国であることに変わりありません。

 日本のマスコミ、新聞、テレビは、変わり身の早い中国を警戒せよとはしてないようです。

 おめでたいのか、中国に操られているのか。

 マスコミの論調に乗ると、中国にいいようにしてやられてしまう気がして恐ろしい気がします。

     だいじ経営年金事務所http://daizizimusyo.jp

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