FC2ブログ

青春の文学『邪宗門』

 たまたま図書館で以前から読みたいと思っていたがなかなかお目に書かれなかった高橋和巳の文庫本『邪宗門』を見つけ、すぐに借りました。

 新刊コーナーにあったので復刻版でしょう。

 全共闘世代のバイブルと言える小説です。

 ただし、私の世代から言うと一世代上で、本についても一世を風靡した後は普通の本屋さんではあまり目にしませんでした。

 特に興味深かったのがモデル小説と思っていたからです。

 しかし、著者のあとがきによるとモデル小説ではないとわざわざ断っています。

 これで少し興ざめました。

 モデル小説だとかなり現実感があるのですが、こう著者に言われると架空の話か………となり、かなり受け止める側がトーンダウンしてしまいます。

 それでもかなりの迫力、教養小説であるのは間違いありません。

 解説の佐藤優氏も「日本が誇る世界文学」と絶賛しています。

 ただ、やはり私には著者のあとがきの「モデル小説ではない」というくだりが引っ掛かっています。

 早世した作家ですから、小説もみずみずしいが、著者自身も若かったのかなとも推察して、私は少しこの点が残念です。

 (アーカイブス)
2011/01/21
山口瞳から天保水滸伝
 前に山口瞳の小説のことを書きました。

 その後も氏の小説を読みましたが、天保水滸伝の話は興味深く、考えさせられました。

 講談、浪曲で、ご年配の方には、おなじみのお話ですが、若い方は知らないだろうと思います。

 天保年間、1840年代の江戸後期の北関東、銚子近辺の侠客飯岡助五郎と笹川繁蔵の抗争の話です。

 山口瞳は、飯岡助五郎の子分の人と血縁関係があり、その興味から書いています。

 助五郎、繁蔵、両者とも任侠で、親分ですから、ひとかどの人物です。

 初めは、お隣同士で、仲良くしていたが、助五郎の子分の仇(今なら強盗殺人犯)を、繁蔵が知らないで子分にした。

 それが発覚し、助五郎が関八州見廻役の十手を拝領するといういわゆる二足のわらじをはいていた関係で、見過ごすことなく、有無を言わさずしょっ引いたところから抗争が勃発。

 年齢的に言って、助五郎が繁蔵の兄貴分で、初めは、どちらも喧嘩をしたくない相手だったが、廻りからの讒言もありで、抗争に発展していく。

 繁蔵方の用心棒にはご存知、平手造酒がいます。

 これは、見方を変えると、人間関係がこじれる場合のケーススタディーでもあります。

 どちらの言い分も一理ある。

 しかし、私の考えからいうと、助五郎が任侠と見廻役の十手預かりという二役に無理があったという気がします。

 訳ありの人物を引き受けるのが、渡世の掟、と、繁蔵は小説の中で言っています。

 その意味では、繁蔵の言い分の方に納得します。

 よって立つステージが違うので、どちらにも言い分がありますが、こうした事例が過去たくさんあるから、小説、芝居、映画のネタになるのでしょうね。

         だいじ経営年金事務所http://daizizimusyo.jp

          
      

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

daizi550

Author:daizi550
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR